イタリアのビアンキ運輸大臣は1日、年内に運転免許制度を改正する考えであることを明らかにした。それによると、若者の初心者ドライバーを対象に、運転できる自動車の性能制限を設ける。
制限を超える車を運転するには、一定の期間が経過したのち、適正試験を受けなければならない。
背景には、依然高い数字にある交通事故死者数がある。イタリアの人口は日本の約44%にもかかわらず、死者数はほぼ同じの6000人台にのぼる。先月は、免許を取得して間もない若者が父親所有のマセラーティ・クーペを運転。対向してきたSUVと衝突・死亡するという事故も発生した。
今回の案は、いわば4輪車版「限定解除」試験というべきものだが、今のところいつ施行されるか、性能の区分が馬力で行われるか排気量で行われるかも明らかにされてない。またイタリア社会は、依然クリスマスムードを引きずっていることもあり、現在はさしたる議論は起きていない。
ちなみにイタリアでは70年代に、若年および高齢運転者は、スピードが180km/h以上出る車を運転してはならないという法律があった。そのため、フェラーリの創立者エンツォ・フェラーリも、平凡なフィアット製乗用車に乗っていたという逸話がある。