カスタマイズカーといえば、クルマ好きをターゲットにするのが常識。しかし、若者のクルマ離れは年々進行し、ホンダアクセスなどの自動車メーカー系アフターパーツ企業は「クルマに興味がない人」にも狙いドコロを定める必要が出てきている。
「時代の変化に応じて、クルマに対する新しい価値観も提案しないといけない。その提案のひとつが、『フィット・デイリーアクティブコンセプト』です」というのは、インテリアデザインをまとめたホンダアクセス、デザインブロックの菊池武文さん。
“クルマ好き”と“クルマ好き以外”を見分けるポイントのひとつに「クルマの運転が好きか、否か?」というボーダーがある。
フィット・デイリーアクティブコンセプトは、運転が好きではない人のために、車体四隅にカメラを運転するなど運転をサポートするデバイスを装備するとともに、ナビ機能だけにとどまらずにネット接続なども視野に入れた、コミュニケーションツールとしてポータブルナビを採用しているのがポイントなのだ。
「誰でも安心、簡単、スペックなんてどうでもいい。そんな人たちをターゲットにし、自分たちの移動ツールに徹しているのがデイリーアクティブコンセプトなのです」とホンダアクセス、デザインブロックの金子恭大さん。
「若い人は、圧倒的な動力性能やスポーツ性はクルマに求めない。そういう人でも自然と溶け込めるクルマ。携帯電話や携帯ゲームの感覚でクルマも道具としての扱いやすさを追求しているけれど、ファッショナブルさはしっかり忘れない」(金子さん)
カスタマイズの主流が、運転を楽しむためでなく「運転を助ける」ためになる日もそう遠くはないのかもしれない。デイリーアクティブコンセプトは、そんな未来を指し示すモデルだ。