東洋ゴム工業から発売されたミニバン専用タイヤ『トランパスMP4』では、前身モデルとなる『トランパスMP3』の特徴でもある、しっかり感の高いハンドリングを維持しながらも、乗り心地を大幅に改善しているという。
この相反する要素をどのように両立したのだろうか。『トランパスMP4』を開発した東洋ゴム工業株式会社 タイヤ技術第一部の大野茂さんは「重心が高くロールが大きいミニバン向けに開発したタイヤは、しっかり感を出すためにサイド部分が硬くなりがちでした」
「そこでMP4ではカーカスプライの巻き上げや、ビードの高さをセダンタイヤ並みに抑え、サイド部分の柔軟性を高めました。そのいっぽうで、カーカスを覆うゴムを高硬度プライトッピングと呼ばれる、高い硬さを持つゴムに変更して横剛性を確保しています。さらにビード部分の剛性も高めました」という。
つまり、サイド部分の一部の柔軟性を高めることで乗り心地を向上し、残る部分では高度なゴムの採用やビードの剛性を高めることでハンドリング性能を維持しているというわけだ。
大野さんは「この内部構造の大きな変更により、乗り心地とハンドリングの両立を図ることができました。ハンドリングのしっかり感を損なうことなく、乗り心地を改善できたことが、トランパスMP4の最大の進化だと思います」とコメント。
今までのミニバン専用タイヤは、ハンドリングはよくなるが、乗り心地が硬くなる面も見られたが『トランパスMP4』は、定評のあったハンドリング性能を維持しながらも、高い快適性を手に入れているようだ。