ポルシェAGが発表した2006年7月期の連結決算によると、税引き前利益が前年同期比70.4%増の21億1000万ユーロへと大幅な伸びとなった。
車両のルーフシステムを生産するCTS Fahrzeug-Dachsystemeを8070万ユーロで売却したことや、ポルシェが所有するフォルクスワーゲンAGの株式の変動により合計2億0300万ユーロの利益が出たこと、数億ユーロにのぼるフォルクスワーゲン株の取得に関連したヘッジ取引で得られた利益などが主因だ。
最終利益(税引き後利益)は同78.8%増の13億9300万ユーロにまで拡大した。
ポルシェでは、好業績を背景に、2007年1月26日に初めて新しいポルシェアリーナで開催する年次株主総会で、1株あたりの配当金を普通株で5.94ユーロ(前年度4.94ユーロ)、優先株で6ユーロ(同5ユーロ)に増額することを提案する予定だ。
これに加えて、今期の特別な利益を還元するために、普通株と優先株ともに1株あたり3ユーロの特別配当金が株主に支払われる見込み。これにより、配当金の総支払額は1億5700万ユーロ(同8700万ユーロ)に達する見通し。
今期の新車販売台数は同9.5%増の9万6794台となり、過去最高記録を更新した。このため、グループの売上高は同10.6%増の72億7000万ユーロだった。『911』モデルレンジと新しく導入された『ケイマン』、『ケイマンS』の販売が好調だったため。