新日鉄、タイに冷間圧造用鋼線の製造 販売会社設立

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新日本製鉄はこのほど、タイに自動車向け冷間圧造用鋼線の製造・販売社を設立することに合意した。新会社の名称はNippon Steel Bar & CH Wire社で、資本金は2億3000万バーツ(約7億円)。新日鉄が28%出資し、そのほか松菱金属(14%)、宮崎精鋼(14%)、サンユウ(14%)、豊田通商(12%)、鈴豊精鋼(8%)が出資する。

冷間圧造用鋼線は主にボルト・ナットなどに加工され、「目立たないが、自動車にとってはなくてはならない」(鉄鋼メーカー関係者)重要なもの。その品質によって、自動車の品質が大きく左右されると言っても過言ではない。それだけに、日系自動車メーカーはこれまで日本から冷間圧造部品を取り寄せることが多かった。

そんな中、新日鉄はタイの自動車メーカー向けに現地合弁会社のT.S.K Wire社を通じて製造・販売してきたが、今後一層の需要増が見込まれることから、新会社を設立し冷間圧造用鋼線の生産能力の拡大を図ることにした。

新日鉄では、日本のみならずタイでも高度化・多様化する需要家ニーズに対応していきたいとしている。生産能力は年間約4万トンで、07年7月頃から生産を開始する予定。

自動車向け冷間圧造用鋼線の分野は伝統的に神戸製鋼所が強いが、新日鉄は中国・蘇州に続いてタイでも新会社を設立し、神戸製鋼を追撃しようというわけだ。

《山田清志》

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