神戸空港RV侵入、懲役2年に 心神耗弱を認める

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今年4月、兵庫県神戸市中央区にある神戸空港の制限区域内にRVで侵入し、数分間に渡って暴走を繰り返したとして、航空危険行為処罰法違反などの罪に問われた29歳の男に対する判決公判が8日、神戸地裁で行われた。裁判所は被告が心神耗弱状態だったことを認め、求刑よりも軽い懲役2年の実刑を命じている。

問題の事件は4月8日午前に発生した。神戸市中央区神戸空港にある神戸空港で、旅客ターミナル西側付近の道路を走っていたRVが金網フェンス(高さ約2m)を破壊して駐機場(エプロン)に侵入。急発進やスピンターンなどを約5分間に渡って繰り広げた。クルマは一時、離陸準備を行っていた航空機まで約30mの距離まで接近。衝突の危険もあったという。

RVを運転していた28歳(当時)の男は建造物侵入の現行犯で逮捕。後に航空危険行為処罰法違反などの罪で起訴されたが、捜査当初から「沖縄に行きたかった」、「チケットの購入を断られたので、クルマで空港内に入ってやろうと思った」など、意味不明の言葉を繰り返していた。

8日に行われた判決公判で、神戸地裁の佐野哲生裁判長は「被告は夫婦間のトラブルが悪化したことから、気晴らしに沖縄に行こうとしたが、所持金が足らなかったことから航空券が買えなかった。だが、何としてでも沖縄に行こうという思いからクルマで空港内に進入した」と指摘した。その上で裁判長は「非常識な動機に基づく犯行であり、一歩間違えれば多数の人命に関わる事態だったが、当時の被告は心神耗弱の状態だったと考えられる」として、懲役5年の求刑に対し、懲役2年の実刑を言い渡した。

《石田真一》

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