国土交通省は、今後の概ね10年間で取り組む「道路整備の中期ビジョン」をまとめた。
政府・与党が昨年末に示した「道路特定財源の見直しに関する基本方針」を踏まえ、真に必要な道路整備に向けて道路行政が行うべき整備目標、事業量などを明示。供用中の道路の修繕・更新や、環状道路整備といった道路交通の円滑化など資する施策を示した。目標達成に必要な事業費は約58兆円を見込む。
ビジョンでは、供用中の道路に対する維持・修繕・更新と安心・安全の確保のほか、道路交通の円滑化、都市と地域の活性化、環境保全や国際競争力の強化を施策のポイントとしている。国民へこれらの取り組みを明らかにすることで、その重要性に関する認識の共有化を図る。
今後実施すべき施策としては、建設後50年に達する橋りょう約2万8400橋の延命化や、緊急輸送道路における約3800橋の耐震補強、全国約2万カ所の事故多発地点の対策などを進める。また、三大都市圏における環状道路約600kmの整備や約2200カ所の渋滞ポイント対策などを盛り込んだ。