GMの今年第一四半期の業績は3億2300万ドルの赤字、と報告されたが、それからわずか1週間でこの数字が4億4500万ドルの黒字に変わった。その差、実に8億ドル。
GMでは今回の業績報告の変更を公正取引委員会の承諾を得たものとしているが、その内容は組合との間で合意した将来的な従業員への健康保険負担金の引き下げなどを会計内容に盛り込んだものだという。つまり業績そのものが好転したわけではないが、数字上は利益が出ているということになる。
GMが第一四半期の赤字を報告した直後、大手企業ランク付け会社であるムーディーズがGM株式のさらなる格下げを検討しているというニュースも流れ、GMとしては「業績は順調に回復しており、GMは投資にふさわしい企業である」というイメージを打ち出したかったものと見られる。
しかし肝心の北米での業績は相変わらず赤字のままで、投資家はGM株に対し様子見の模様だ。