多重衝突事故は長時間勤務が原因、運送会社の幹部逮捕

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京都府宇治市内の京滋バイパス上り線で今年2月に発生した多重衝突事故について、京都府警は6日、事故を起こした35歳の運転手の過労状態を認識しながら長時間の勤務(運転)を命じていたとして、運送会社の社長ら2人を道路交通法違反(過労運転下命)容疑で逮捕した。

京都府警・高速隊によると、事故が起きたのは2月13日の午前5時35分ごろ。宇治市槙島町付近の京滋バイパス上り線で、路上に倒れていた男性を救出しようと停止したトラックの後方で発生した渋滞に対し、後ろから走ってきた大型タンクローリーが激突。停車中のクルマを次々と押し出し、結果として12台が関係する多重衝突事故に発展。3人が死亡、6人が重軽傷を負った。

追突してきた大型トラックを運転していた35歳の男は業務上過失致死傷容疑で逮捕されたが、調べに対して「衝突までの記憶がない」と供述。少なくとも事故現場の手前700m付近から居眠りをしていたことがわかった。そして男の勤務記録を調べたところ、事故以前の過去3カ月間にあった休暇は月2回程度。勤務に入ると1日16時間近くも運転していたことも判明した。1カ月間の勤務時間は400時間超。これは国の定める最長320時間を大幅に上回るものだった。

また、男の勤務する運送会社は事故直前の2月3日、別の運転手の拘束時間が長いとして滋賀運輸支局から勤務状況を改善警告を受けていたこともわかり、長時間勤務は会社の指示であると断定。運送会社を経営する63歳の男と、この会社で運行管理者を務める48歳の男を道交法違反容疑で逮捕した。

《石田真一》

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