かねてから注目されていたフォードのリストラ策が発表された。その内容は、2012年までにアメリカ国内で2万5000−3万人を解雇し、14の工場・施設などを閉鎖する大掛かりなもの。
フォードの昨年の赤字総額は16億ドルに達しており、国内工場などの稼働率は79%にまで落ち込んでいた。またフォード車の国内シェアは17%台で、連続10年の下落を記録している。昨年は特にライトトラック分野での落ち込みが激しく、SUVは30%、ミニバンは車種によっては53%もの売り上げ減となった。
しかし今回発表された2万5000−3万人、というのはフォードのアメリカ国内労働者およそ12万2000人の20−25%に当たる数字。つまり4-5人に1人が職を失う、というショッキングなものだ。今回閉鎖が発表されたフォードの工場を抱える地元自治体の多くは、「フォードが撤退することで市の財政の10%が消滅する」と危機感を露にしている。
リストラによる組織のスリム化と新しいプロジェクト導入による利益の上がる会社を創り出す、とするウィリアム・クレイ・フォード会長。だがGMの場合、大幅なリストラを発表した後も企業格付けのランキングは変わっていない。フォードのリストラ策に対しても、市場の反応は冷たいものとなりそうだ。