GMのリック・ワゴナー会長が、同社の金融部門であるGMACの売却を視野に入れていることを明らかにした。
今年第3四半期も160億ドルの赤字を計上、4期連続の赤字となったGMにとって、子会社を売却してキャッシュフローを得る事は必要な措置だが、自動車ローンなどを扱うGMAC社まで売却というのは少なからぬ驚きを与えている。
しかしGMの株式評価がジャンクボンド化する中、GM傘下のグループ企業では最も収益性の高いGMACの株価も下がりつつある。このためGMACが単独で市場から資金を調達するのが困難になっているという。せっかく収益の高い企業があるのに、グループ内にあることでジリ貧になるよりは、売却して現金化した方が良いという判断のようだ。
ただしワゴナー会長は売却の時期などに付いては明らかにしておらず、現在買収に興味を示している企業があるかについてもコメントしていない。売却後のGMACは完全に自主独立の企業となり、GMとは戦略的提携関係を維持することになる、というワゴナー会長。しかしGMカードなどを発行する企業だけに、売却の影響は大きそうだ。