5ポインテッドグリルも最近のマツダ車のデザインの特徴だが、やはりこれも新型『ロードスター』(25日発表・発売)には採用されていない。
中牟田泰チーフデザイナーは語る。「マツダ車らしさよりロードスターらしさを出したということです。丸みを帯びたフロントグリルは、初代モデルのヘリテイジをモダナイズしたものです」。
初代ロードスターというと、「能面」をエクステリアのデザインモチーフとしたことが有名で、その繊細な曲面は見る角度によって刻々と表情を変えていった。「新型が特に能面を意識したと言うわけではありませんが、たとえばヘッドランプは正面から見ると楕円ですが、斜め横から見るとつり目に見えます。全体のフォルムはもちろん、光と影のリフレクションを効果的に取り上げて、見る角度によってさまざまな表情見せているんです」
筋肉質の抑揚のついたマッチョなスポーツカーではなく、あくまでライトウェイトスポーツカーとして、ロードスターとして、らしさを追求したデザインは、能面とは別にまた日本的といえるだろう。