9日、奈良県橿原市内の近鉄大阪線で、無人の乗用車がコンクリート製の柵をなぎ倒し、線路内に侵入する事故が起きた。幸いにも発見が早く、通過する電車との衝突は免れている。
奈良県警・橿原署によると、事故が起きたのは9日の午前7時15分ごろ。橿原市北妙法寺町付近を通る近鉄大阪線の線路内に乗用車が侵入し、立ち往生しているのを上り区間快速列車(青山町発、上本町行き)の運転士が発見。急ブレーキを掛けて停止した。列車はクルマの約100m手前で停止。幸いにも衝突を免れた。
クルマは線路に隣接する駐車場から、線路を囲むように設置されたコンクリート製の柵(高さ50cm)をなぎ倒して線路内に侵入していた。このクルマは近くに住む49歳の男性が所有するもので、事故当時この男性はクルマのシフトレバーをR(バック)位置に入れたままクルマを離れており、無人の状態だった。
警察では過失往来危険の容疑でこの男性から事情を聞いているが、男性は「R位置でもクルマはアクセルを踏まなければ動かないので、無人で走り出すとは思わなかった」などと供述している。だが、クルマは柵をなぎ倒す勢いで動き出していることから、同署ではエアコンなどの動作で一時的にエンジンの回転が上がり、そのまま加速していったと事故原因を推測している。