タイヤ脱落は整備手順の無視…送検

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今年4月、宮城県仙台市内で走行中のトラックからタイヤが脱落し、これに直撃された歩行者が重軽傷を負った事故について、宮城県警は14日、このトラックの整備を行っていた整備士2人を業務上過失傷害容疑で近く書類送検することを決めた。

県警はトラックの整備不良が事故の主原因となったと認定した。トラックは事故前日までトヨタ系ディーラーで整備を行っており、送検されたのはこのディーラーに勤務する整備士2人。

宮城県警・仙台北署によると、問題の事故が起きたのは4月5日の午前8時25分ごろ。

仙台市青葉区貝ケ森4丁目付近の市道を走行していた普通トラックから左側後輪タイヤ2本(ダブルタイヤ構造)が脱落。そのまま対向車線を横切り、道路右側の歩道を歩いていた女性2人を直撃した。

この事故で最初にタイヤの直撃を受けた女性が胸の骨を折ったほか、肝臓が破裂するなどして重体。路面で弾かれたタイヤに当たった別の1人が転倒し、打撲などの軽傷を負っている。

脱落はハブへ固定するボルトの破断ではなく、車軸ごと抜け落ちるという特異な状態で発生しているが、事故を起こしたトラックは前日まで同区内のトヨタ系のディーラーで車検を受けており、この際には冬用のタイヤから夏用タイヤへの交換も行われている。

車軸やハブなどの状態についても、車検の際にチェックを受けたと考えるのが適当であることから、警察では実際に検査を担当した整備員などから事情聴取を行った。

この事情聴取に対し、ディーラー側は「車検はマニュアルに従う形で実施しており、部品の劣化についても可能なかぎり点検している」などと回答しているという。

だが、警察が精査したところ、実際には社内規定に沿った手順での整備が進められておらず、脱落が起きた左後輪部のベアリングを固定するボルトの締め付け量が足りない状態となっていた。

さらに検査担当の整備士もこれを看過し、結果としてタイヤの固定が不十分なまま引き渡された。荷台に荷物が積載されたことでバランスを欠き、タイヤ脱落に至る負荷が掛かったものとみられる。

このため、警察では2人の整備士についてもその責任は重いと判断。トラックを運転していた23歳の男と同様、業務上過失傷害容疑での書類送検を決めた。

また、国土交通省・東北運輸局では14日付けで、道路運送車両法に基づく行政処分を実施。このディーラーの整備工場に対し、20日間の自動車分解整備事業の停止命令などを出している。
《石田真一》

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