エンジンやトランスミッションなどのドライブトレインは『レガシィ』用をアレンジ。またサスペンションや一部のボディ構造部も流用する。かといってレガシィのシャシーにボディを被せ直したワケではない。『B9』トライベッカはレガシィより重心高が高く、ボディサイズも大きくなっているから、ほとんどが別パーツといっていいほどだ。
また、フロントのサイドフレームなどはB9トライベッカに流用することを前提に少し幅広くデザインしているから、構成するシャシーはレガシィ用でもありB9トライベッカ用でもあるのだ。
フロントストラットサスペンションはロアアームの取り付け部が補強されている。運転席から後ろはフロアパンもB9トライベッカ専用設計になり、リヤサスペンションも専用でデザインされたダブルウイッシュボーンになっている。
B9トライベッカの開発の指揮をしたプロジェクトゼネラルマネージャーの大和正明さんは、「3列シートのSUVという機能を持ちながらスバルらしいセダンに負けない走りを実現した」「そのベースになったのは、重心の低い水平対抗ボクサーエンジンと安定した走行ができるシンメトリカルAWDというスバル独自の技術である」といっていた。
エクステリアデザインは革新的なSUVを目指しただけのことはあって、個性的で存在感がある。最近のスバルの顔になっている3分割グリルも、この車高の高いクルマに似合っているように見えてくる。サイドからリヤにかけてはウエストラインがつままれたようになっていて、そのまま回り込んでいる。ここはいままでのSUVにない面質感を感じさせてくれ、とてもモダンに見える。
インテリアはちょっとうねったダッシュボードが特徴的。いっぽう、シートアレンジなどはごく一般的なセオリーの展開パターンだ。安全性に関しては7人分の3点式シートベルト、7人分のヘッドレストが備えてあり、運転席、助手席のエアバッグのほかにサイドのカーテンエアバッグは後席までカバーしている。(つづく)