史上最も悪質な振り込め詐欺グループを逮捕

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警視庁と群馬県警は20日、交通事故の被害者や関係者を装って電話を掛け、脅迫的な言動をもって現金の振込みを要求していたとして、24歳の男ら5人を恐喝容疑で逮捕した。

いわゆる「振り込め詐欺(おれおれ詐欺)」の中では最も悪質なもので、被害総額は3億円を超えているとみられている。

警視庁と群馬県警の合同捜査本部によると、恐喝容疑で逮捕されたのは、24歳の男を主犯格とする男5人。

主犯格の男はヤミ金融の経営に関わっていたが、振り込め詐欺という犯罪を知ったことで、仲間に「ヤミ金融はもう儲からない。次はこれだ」と提案。共同経営していた別の24歳の男を実行の責任者に任命し、犯行に及んでいた。

当初は交通事故の被害者を装い、治療費などを振り込むように要求していたが、振り込め詐欺が大きく報じられ、思うように集金ができなくなったことで徐々にエスカレート。脅迫的な言動で現金の振込みを命じるようになった。

逮捕容疑のひとつとなった、愛知県高浜市内に在住する女性をターゲットにした事件では、「あんたの息子が道路の真ん中をフラフラと歩いていたので、これを避けようとしてクルマを壁にぶつけてしまった」と話し、さらには「息子の身柄は預からせてもらった。修理代を振り込まないと息子の臓器を売る」などと脅し、現金約550万円を振り込ませたという。

また、別の事件では「娘を風俗店に売り飛ばす」と脅し、同様に約550万円を振り込ませていた。

これまでに起きた振り込め詐欺事件では最も悪質なもので、警察も捜査中にも「一連の犯行の中では最も悪質」とか、「史上最悪のグループ」などと称していた。今回の逮捕容疑についても詐欺ではなく、より罪の重い恐喝を適用している。

警察の取り調べに対し、主犯格の男は容疑を否認しているが、他の4人は「月額30-50万円程度の報酬を貰っていた」と供述。容疑を認めているという。

被害総額は3億円超とみられるが、グループのメンバーに支払った金額は全体で見れば微々たるものであることから、警察では残りの現金は暴力団など、グループの背後に存在する組織に渡ったものとみて、逮捕した5人を厳しく追及する方針だ。

《石田真一》

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