12日、愛知県名古屋市内の市道で、強盗事件の現場で目撃されたクルマを運転していた男に職務質問しようとした警察官が、これを逃れようと急発進したクルマと街路樹の間に挟まれ、骨折などの重傷を負う事件が起きた。
男は他の警官に取り押さえられ、公務執行妨害の容疑で逮捕されている。
愛知県警・港署によると、事故が起きたのは12日の午前6時20分ごろ。
名古屋市港区野跡1丁目付近の市道で、前日に同区内で発生した路上強盗事件の現場で目撃された容疑車両とよく似たクルマがあるとの通報が警察に寄せられ、現場に急行した同署員が運転席で寝ていた男に対し、職務質問を実施しようと接近した。
26歳の巡査が男を起こして窓を開けさせたが、男は自分を起こしたのが警官だと気づくと、直後にクルマのエンジンを始動。そのまま発進させて逃走を企てた。
巡査はクルマのキーを抜こうと、約60mに渡って並走したが、男はクルマを急加速させてそのまま道路右側の街路樹に激突。巡査はクルマのドアと街路樹の間に挟まれる状態となり、あごの骨を折るなど全治2カ月の重傷を負った。
クルマは衝突によって自走不能となったため、男はこれを捨てて走って逃げ出したが、後から追いかけてきた別の署員が男を取り押さえ、公務執行妨害の現行犯で逮捕している。
逮捕されたのは三重県いなべ市内に在住すると自称する30歳の男。取り調べに対し、男は路上強盗事件を含めて容疑を認めているという。
警察では強盗容疑や、巡査に対する殺人未遂容疑などでも調べを進める方針だ。