三菱ふそうトラック・バスが、新長期排出ガス規制対応として、日産ディーゼル工業と提携して尿素SCRシステムを選択したことが波紋を広げそうだ。
国内のトラックメーカー4社のうち、新長期排出ガス規制対応については、日産ディーゼルが尿素SCRシステムの導入をいち早く発表し、2004年11月に先陣を切って市場投入した。
しかし、日野自動車は、尿素を供給するインフラが必要なことなどから尿素SCRシステムを真っ向から否定、排ガス後処理装置や、排出ガス再循環装置などで、規制をクリアする方針を明らかにするとともに、尿素SCRシステムを批判している。
今回、ふそうが日産ディーゼルから尿素SCRシステムの技術供与を受けることになって、日産ディーゼル・ふそう連合対日野の構図となった。
環境技術のアプローチのちがいは、販売にも大きく影響し、シェアも大変動する可能性もある。より多くのメーカーが選んだ排出ガス技術がデファクトスタンダードとなって、結果的にその環境技術のメーカーがトラック市場を制することになる。
残るいすゞは、尿素SCRシステムも、後処理装置やエンジン、EGRを使った排出ガス低減の両方を検討しているとしていおり、旗色を鮮明にしていない。今後、いすゞの選択する排ガス対策が注目される。