今年5月、鹿児島県鹿児島市内の国道で、トラックが約1kmを暴走し、クルマやバイクなど3台と衝突した。
運転者3人が重軽傷を負ったこの事件について、検察庁・鹿児島地検は6日、業務上過失傷害容疑で逮捕されていた37歳の男について、鑑定留置の決定を行った。
容疑者のの記憶が一部欠落しており、医学的な見地での鑑定が必要となったため。
問題の事故は5月17日に発生している。
同日の午前9時35分ごろ、鹿児島市下荒田4丁目付近の国道225号線の交差点で、普通トラックが右折レーンを直進、そのまま対向車線側の右折レーンへ進入し、信号待ちをしていた乗用車2台と相次いで衝突した。
その約1分後には別の交差点の信号機に激突してこれを押し倒した。トラックはなおも停止せずに暴走を続け、バイク1台に追突する事故を起こしている。
この事故により、最初に衝突した乗用車を運転していた41歳の男性が打撲などで軽傷。2回目に衝突した乗用車を運転していた31歳の女性が全身強打で重傷。バイクを運転していた61歳の男性が足の骨を折る重傷を負った。
トラックは一連の事故を起こす前から信号無視を繰り返しており、警察が緊急配備を行っていたが、発見されたのは事故から5分後の午前9時40分ごろだった。
警察ではトラックを運転していた37歳の男を業務上過失傷害や道交法違反の現行犯で逮捕したが、警察の取り調べに対して男は「事故のことはよくわからない、覚えていない」などと供述。
それ以外ににも聴取中に突然笑い出したり、意味不明な言動を繰り返すなど、不審な点が数多くみられている。
これまでの捜査では薬物反応は検出されておらず、麻薬や覚せい剤の使用を起因とした事故ではないとみられる。内的な疾患の可能性も指摘されているが、これらの鑑定を行う時間が必要なことから、検察では鑑定留置の実施を決定。裁判所も許可を出した。