13日、福島県会津坂下(あいづばんげ)町内の磐越自動車道上り線・七折トンネル内で路線高速バスが側壁に接触する事故が起きた。
乗客乗員27人にケガは無かったが、福島県内では先月下旬にも同様の事故が発生しており、警察では長距離を走行するバスを運行する事業者に対して注意を呼びかける方針だ。
福島県警・高速隊によると、事故が起きたのは13日の午前9時5分ごろ。会津坂下町七折付近の磐越自動車道上り線で、新潟交通バスが運行する路線高速バス(新潟発、仙台行き)が、七折トンネル内を走行中に道路左側に逸脱。左側のミラーや車体の一部が側壁に接触した。
この事故でバスは車体左側の一部が小破したものの、乗客乗員27人にケガは無かった。
現場は片側1車線の対面通行区間。当時このバスは70km/h程度の速度で走っていたとみられるが、壁面への接触時にも対向車線側に逸脱することなく、その場に留まったため、対向車線のクルマと衝突する二次被害の発生は防げた。
警察では通常の物損事故(自損事故)として処理し、53歳の男性運転手については立件しない方針だが、この運転手は警察の事情聴取に対して「座席の予約状況を記した書類を挟んだボードが落ちそうになり、気を取られた際にハンドル操作を誤った」などと話している。
福島県内では4月下旬、猪苗代町内を走行していた夜行高速バスの運転手が、助手席側に設置された冷蔵庫のフタを閉めようとしてハンドル操作を誤り横転。3人が死亡、24人が重軽傷を負う事故が起きたばかり。
今回も運転手が雑事に気を取られたことが原因で起きており、警察ではこの点を重視。県内を通過する定期路線バスを運行する事業者に対して、注意喚起を行う方針も示している。