神奈川県警は7日、高額ハイウェイカードの分割再発行制度を悪用し、偽造したカードを真券に交換していたとして、実行役3人を詐欺容疑で逮捕するとともに、この3人に交換を指示していた指定暴力団幹部を同容疑で全国に指名手配した。
神奈川県警・捜査2課によると、昨年3月から使用できなくなった高額ハイウェイカードの再発行制度を悪用し、偽造券を真券に交換していたとして詐欺容疑で逮捕されたのは、43歳のトラック運転手の男など3人。
この3人は同日付で全国に指名手配された56歳の指定暴力団稲川会系二次団体の幹部から昨年5月下旬、精巧に偽造されたハイウェイカードの5万円券(額面5万8000円分)を渡され、「高額ハイウェイカードの分割再発行制度を利用して真券に交換してくるように」と指示された。
3人はこの指示を受けるかたちで2004年5月31日、神奈川県内に複数のJH料金所に偽造券を持ち込み、額面通りの真券(1万円券を5枚、8000円券を1枚)に交換していた疑いがもたれている。
分割再発行制度は2004年3月でハイウェイカードの高額券が使用不可になったことから実施されていたもので、使用しきれなかった高額券を現在も使用可能な1万円券などに額面相当額まで発行替えするというもの。
男たちはこの制度を悪用し、偽造券を真券に変えてしまうという、マネーロンダリングならぬ“カードロンダリング”を行っていた。
正確な被害額については今も特定されていないが、少なくとも50回近くは交換していた可能性があり、警察では3人を厳しく追及して余罪を調べるとともに、現在も逃走を続ける主犯の男の足取りを追っている。