戦車を壊したと騙したグループ、残高照会が発端で逮捕

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北海道警は4日、自衛官の息子を装い、伊達市内に在住する40歳代の主婦から現金130万円を騙し取ったとして、札幌市内を拠点に活動していた振り込め詐欺グループのメンバー合わせて4人を詐欺容疑で逮捕した。

北海道警・札幌中央署によると、詐欺容疑で逮捕されたのは、札幌市中央区内に在住する探偵業を自称する23歳の男を筆頭とする男女4人のグループ。

問題の事件は1月11日に発生している。同日の正午ごろ、伊達市内に住む40歳代の主婦に対し、千歳市内にある陸上自衛隊の駐屯地で自衛官として勤務する息子を名乗る人物から「戦車を運転中に駐屯地の門にぶつけて、柱と戦車を破壊してしまった。弁償しなくてはならない」などという内容の電話がかかった。

息子を名乗る人物は修理費として170万円の振込みを要求。女性は集めた現金130万円を指定された福岡県内の口座に振り込んだものの、直後に息子本人と連絡が取れ、騙されたことに気づいた。女性はすぐに警察に届け出たが、現金はすでに引き出されていた。

警察では「女性の息子が自衛官であること」、「犯行が行われた時間帯には、息子と直接の連絡が取りにくい」など、個人情報を深く知る者が犯行に関わった疑いが濃いとみて捜査を開始。犯行に使われた銀行の口座を凍結するなどの措置を取っていた。

1月下旬、グループに属し、引き出し役を担当していた22歳の女が札幌市内の郵便局から凍結された口座の残高照会を行っていたことを突き止め、まずこの女の身柄を確保。供述から主犯格を含む3人も相次いで確保し、容疑が固まったとして逮捕に踏み切った。

グループが使っていた札幌市中央区内のマンションからは、多数の預金通帳が発見されており、入金記録から判断する被害総額は数千万円規模だという。しかし、このカネがどこに流れたのかは定かではなく、警察では背後に暴力団が関係している可能性も高いとみて、グループを厳しく追及する方針だ。

《石田真一》

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