制御できない猛スピードでクルマを運転中に街路灯に激突する事故を起こし、同乗していた19歳の男性を死亡させたとして、危険運転致死罪に問われていた21歳の男に対する判決公判が1月31日、旭川地裁で開かれた。
裁判所は被告の男に対し、懲役2年10カ月の実刑判決を言い渡している。
問題の事故は2003年4月23日に発生している。同日の午後10時25分ごろ、深川市音江町付近の道道で、19歳(当時)の男が運転する乗用車がカーブを曲がりきれずに路外に逸脱。道路左側に設置されていた街路灯の柱に激突する事故が起きた。
この事故で助手席に同乗していた19歳の男性が全身を強打し、出血性ショックで死亡している。
現場となった道道は制限速度が40km/hだったものの、事故を起こしたクルマは100km/hを超える速度で走行。しかも当時は雨が降っており、路面も滑りやすい状態だった。
警察では男を業務上過失致死容疑で在宅のまま旭川地検に送検。男が未成年だったことから地検は同容疑で旭川家裁に送致した。ところが同家裁では「刑事処分相当」と判断され、再び旭川地検に逆送されている。
旭川地検は再捜査を行ったが、運転していた男が「高速で走行しているとスリップする可能性がある」と認識していたことが判明したため、「制御困難な高速度で走行した」と最終的に判断。罪状を危険運転致死に変更して起訴していた。
1月31日に行われた判決公判で、旭川地裁の井口実裁判長は「被告は現場となったカーブは減速しなければ進行制御が困難になることはわかっていたが、高速度走行に対する認識が甘く、これが結果として事故を起こす原因になった」と指摘。
被告に対して懲役2年10カ月の実刑判決を命じている。