泥酔運転の男、違反をごまかした前歴が発覚

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飲酒運転の発覚を恐れ、パトカーの追走から逃れようとした最中に衝突事故を起こし、2人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪に問われた24歳の男に対する初公判が28日、福島地裁で開かれた。被告の男は起訴事実を全面的に認めている。

問題の事故は2004年11月16日に発生している。同日の午後11時15分ごろ、福島市新町付近の市道でパトロールを行っていた同署のパトカーが、蛇行しながら走行する乗用車を発見し、ただちに停止するように指示した。

しかし、乗用車はこれを無視して逃走。約5分間に渡って逃げ続けたが、福島市曽根田町付近の県道交差点に赤信号を無視して進入した際、青信号に従って右方から走ってきた運転代行業者の所有するワゴン車と出会い頭に衝突。

ワゴン車の助手席に乗っていた男性が全身を強く打って死亡。運転していた男性も足の骨を折る重傷を負った。

乗用車を運転していた男はなおも逃走する姿勢を見せたため、警官が拳銃で威嚇。別の警官が車内から引きずり出し、道路交通法違反(信号無視)の現行犯で逮捕した。

後の調べで事故当時は泥酔状態だったことが発覚。危険運転致死傷容疑で送検され、検察もこれを支持して同罪で起訴していた。

28日に福島地裁で開かれた初公判において、検察側はこの男が2004年5月にも飲酒運転を原因とする同様の事故を起こしていたことを指摘した。

この際も男は逃走を図ったが、後に逮捕。逮捕後のアルコール検知では酒気帯び相当量のアルコールを検出している。

だが、男は「酒は事故後に飲んだ」と強固に主張。事故時に酒気帯び状態だったと認定するには至らなかったため、飲酒運転では処理せずに継続捜査とした経緯がある。

11月の事件でも男は事故を起こした後に逃走する姿勢を見せているが、この背景には「一度現場から離れてしまえば飲酒量をごまかせる」という認識があった可能性も高く、警察の捜査のあり方も今後の争点のひとつとなりそうだ。

《石田真一》

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