高速道路を使ってヒット&アウェイ強盗

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香川県警は25日、高知県内から香川県内にコンビニエンスストア強盗を行うために“出張”し、本業の出勤時間までに再び高知まで戻っていたとして、高知市内に住む28歳の男2人を強盗容疑で逮捕した。

香川県警・捜査1課、同・高松北署によると、事件が起きたのは25日の午前2時40分ごろ。高松市春日町付近にあるコンビニエンスストアに客を装った男が押し入り、33歳のアルバイト店員に刃物のようなものを突きつけて「カネを出せ」と脅した。

店員の男性がレジにあった紙幣約2万円分を差し出すと、男は仲間が運転するクルマに飛び乗って逃走した。店員にケガはなく、無事だった。

警察では強盗事件として捜査を開始。事件直前に店を訪れた別の客が店の近くの路上に地元ではあまり見かけない神戸ナンバーのクルマが止まっていることを思い出した。このため、警察では犯人が県外に逃走した可能性もあるとして、Nシステムによる車両の追跡を開始したが、ここで意外な事実が明らかになった。

神戸ナンバーということもあり、当初は関西方面に逃走したと判断していたものの、このクルマが高速道路を通って高知県方面に向かって走っていたことがわかった。また、このクルマが事件の数時間前に高知県内から香川に向かっていたことも確認され、警察ではその不審とも受け取れる動きに着目した。

警察ではクルマを所有する高知市に在住する28歳の男から同日夜に任意で事情を聞いたところ、犯行をほのめかす供述を行ったために強盗容疑で逮捕。共犯として同僚の別の28歳の男も逮捕した。

取り調べに対し、2人の男は「高松には高知よりもコンビニの数が多く、客が分散しやすく空いていることを知っているので狙った。前日の勤務後に2人で高松に向かい、犯行後は翌朝の出勤時間に間に合うよう、高知に戻った」などと供述している。

また、この2人は今月4日に別のコンビニで起きた強盗事件についても関与を明らかにしており、「4日に成功したため、遊ぶカネ欲しさにもう一度行った」などと話しているという。

警察では「他県から高速道路を使って出稼ぎのように強盗するという新しい形態。ナンバーは在住県とは逆方向のもので、この部分に捜査をかく乱する狙いがあったかもしれない。貴重な事例と受け止め、同様の犯行が発生したときの初動対策の参考にしたい」とコメントしている。

《石田真一》

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