25日、福島県いわき市内の市道で、パトカーの追跡を受けていた乗用車が中央分離帯を乗り越え、街路樹や民家のブロック塀に激突し、大破する事故が起きた。この事故で同乗していた20歳の女性が全身を強く打って死亡している。
福島県警・いわき中央署によると、事故が起きたのは25日の午前5時15分ごろ。これより約15分前の午前5時ごろ、いわき市平谷川瀬付近をパトロールしていた同署のパトカーが、カラオケボックスの駐車場でヘッドライトの点滅を繰り返している不審な乗用車を発見。職務質問を実施しようとしたところ、このクルマが急発進して逃走を開始した。
パトカーはただちに追跡を開始したが、クルマは信号無視を繰り返して逃走を続けた。パトカーは危険を感じて一時追跡を中断したが、数分後に再びこのクルマを発見。さらに追跡を行ったものの、今度は高速度で逃走したために見失ってしまった。
このため、パトカーはクルマが逃走していった道をそのまま走っていったところ、道路右側にある民家のブロック塀に激突、大破しているのを発見した。
クルマは高速度で走行中にハンドル操作を誤ったとみられ、中央分離帯を乗り越え、街路樹やブロック塀に次々と衝突していた。
運転していた19歳の少年は頭を強打して意識不明の重体。助手席に同乗していた20歳の女性は全身を強く打って死亡している。2人ともシートベルトの着用はしていなかったとみられる。
警察ではクルマを運転していた少年の回復を待ち、危険運転致傷容疑で調べる方針だ。なお、今回の事故については「追跡は正当な職務であり、事故を誘発するような行動は一切していない」とコメントしている。