20日、鳥取県琴浦町内の国道で、走行中の乗用車から大量の雑誌が遺棄される事件が起きた。同様の事件が相次いでいたため、現場で張り込みをしていた警察官がこのクルマを抑止、運転していた男を道路交通法違反の現行犯で逮捕している。
鳥取県警・八橋署によると、事件が起きたのは20日の午前7時50分ごろ。琴浦町逢束付近の国道9号線で、走行中の乗用車から大量の紙くずが遺棄されるのを張り込み中の同署員が現認した。このため、このクルマを抑止。
運転していた32歳の男に対して職務質問を実施したところ、男が紙くずを遺棄したことを大筋で認めたため、道交法違反(運転中の禁止行為)の現行犯で逮捕した。
大量の紙くずが遺棄される事件は17日朝に発生、以後毎日のように続いていた。遺棄されたのはいずれも女性のヌード写真を含む成人向けの雑誌で、近隣住民からの被害通報を受け、遺棄された現場付近に警察官を配置していた。
遺棄は走行中のクルマから行われたものとみられ、約2km区間に渡って断続的に撒かれていること。遺棄した後に飛散しやすいよう、ホチキスが外されていたことなどから、古紙回収のトラックから偶然落ちたものではなく、何者かが故意に撒いたと断定して捜査に乗りだしていた。
警察での取り調べに対し、男は「職場での人間関係に悩み、ストレスがたまっていた」と供述しているという。
4日間で遺棄された雑誌の合計量は約100冊相当にも及び、警察では「投棄されたすべての雑誌はホチキスを抜かれており、用意も周到で計画的。単なる愉快犯行の域を超えている」として、動機のさらなる追及や雑誌の入手先を含め、厳しく取り調べる方針だ。