助けを求めた相手は警察官…ひき逃げ犯をスピード逮捕

自動車 社会 社会

15日、神奈川県相模湖町内の国道で、対向車線側に逸脱した軽ワゴン車が対向の軽自動車と衝突し、そのまま逃走する事件が起きた。逃げたクルマは途中で立ち往生し、非番中の警官に助けを求めたところで事故を見抜かれ、逮捕されている。

神奈川県警・津久井署によると、公務執行妨害の現行犯で逮捕されたのは、山梨県大月市内に在住する46歳の男。

この男は15日の午前11時45分ごろ、相模湖町千木良付近の国道20号線で、カーブを逸脱して対向車線側に進入した軽ワゴン車と、対向車線を順走していた26歳の女性が運転する軽自動車が接触した。

この事故で軽自動車に同乗していた3歳の女児が顔面を打ち、唇を切る軽傷を負ったが、事故を起こした軽ワゴン車は現場からそのまま走り去った。通報を受けた同署では、軽傷ひき逃げ事件として捜査を開始している。

事故から約20分後、JR相模湖駅に近い相模湖町与瀬付近の国道20号線で立ち往生しているクルマを、非番中だった同署・地域課に所属する26歳の巡査部長が発見した。巡査部長が声を掛けたところ、運転していた中年男性はこの巡査部長に対して「クルマが壊れてしまった。近くまでけん引してくれないか」と救助を求めた。

巡査部長は同署に連絡を取り、同僚に応援を要請。これを受けて駆けつけた署員が逃走している軽傷ひき逃げの容疑車両に似ていることを確認した。

立ち往生していた現場は、事故現場から3kmほどしか離れていないことから、同署員が男に対して職務質問しようとしたところ、男が逃走。これを追いかけた署員や居合わせた巡査部長の足を蹴りつけるなどしたため、公務執行妨害の現行犯で逮捕。業務上過失傷害や道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑でも取り調べる方針だ。

取り調べに対し、男は容疑事実を認めた上で、「職場から持ち出したクルマに乗っていた。事故の発覚を恐れた」などと話しているという。

警察では「不審な車両を発見したときに声を掛けるという取り組みが功を奏した。非番中とはいえ、これを厳守してくれた署員がいることが早期逮捕につながっている」とコメントしている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース