12月28日夜、三重県いなべ市で、両親が約12時間に渡ってパチンコをしている際、駐車場に止めたクルマの中に放置されていた生後6カ月の乳児が死亡するという事件が起きた。警察では保護責任者遺棄致死容疑で両親から事情を聞いている。
三重県警・員弁署によると、事件が起きたのは28日の午後10時ごろだという。同市内の病院から「生後6カ月の乳児が死亡した。話を聞くかぎり、どうやら車内放置死のようだ」との通報が寄せられた。
同署員が病院に急行し、乳児の両親である36歳の女性と29歳の男性から事情を聞いた。驚いたことにこの両親、乳児を駐車場に止めたクルマの中に12時間も放置。その間、パチスロで遊戯を続けていたという。
両親は現場となったいなべ市内のパチンコ店に午前9時30分ごろに到着。乳児をチャイルドシートに拘束し毛布を被せ、エンジンを切ったクルマに放置。そのまま店内に入った。
2人は以後、12時間に渡って遊戯を続けた。この間には母親がクルマに残した乳児の様子をほぼ1時間おきに見に行ったが、車外から窓越しに眺めるだけで、ミルクなどを与えることも無かった。
午後9時30分ごろにクルマに戻ったときには、乳児はすでに死亡していたとみられ、体は冷たくなっていた。同署の事情聴取に対し、両親は「普段から半日ぐらいは眠っているし、特に異常を感じないので大丈夫だと思った」などと話している。
凍死か呼吸困難によるものか判別がつかず、警察では乳児の司法解剖を行ったが、この結果として急性循環不全が死因であることがわかった。警察では放置と死因の因果関係を引き続き調べる方針だ。
親がパチンコ遊戯に講じている際、駐車場に置かれたクルマの車内で子供が死亡するという事故は夏場になると多発するが、冬に起きるケースは珍しい。