【車検期間が2倍になる!?】規制改革攻防…最前線レポート

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●その9:「車検に通ったから大丈夫」というユーザー意識

日本の場合、自動車の点検に関する意識の低さも問題だ。道路運送車両法上、自動車の適切な保守・管理責任はユーザーにある。車検制度は、このユーザー保守責任を前提としたうえで、受検時の安全・環境基準適合性をチェックしているだけ。タイヤやブレーキパッドが寿命ギリギリでも、保安基準に適合していれば車検に合格する。

しかし、実態は大半のユーザーが保守・管理を業者任せにし、「車検に通ったからあと2年は大丈夫」という認識なのが現実だろう。実際、整備工場には車検後のクレームがいまだに多い。古いクルマになると、1カ所の法定整備でバランスを崩し、不調になるケースもある。

規制緩和は結構なことだが、表裏一体の自己責任意識が希薄なままでは、その効果もおぼつかない。車検に関しては、このあたりも長期的な課題と言えそうだ。

●その10:エレクトロニクス化にITの波…理想の車検像とは

もちろん、今の車検制度に問題がない、というわけではない。そもそも“車検期間”なる物差しが設けられているのも「ほかに適当な基準がない」(国交省)からだ。年間1000kmも乗らないユーザーと、年間数万km乗るユーザーが同じ期間でチェックされるというのも、改善の余地がありそうに思える。

自動車業界の一部では「これだけクルマの電子化が進んでいるのだから、ECU内の履歴情報をもとにして車検期間をフレキシブル化したり、必要に応じて検査するオンデマンド方式の採用もできるのではないか」という声が出ている。前述した税金や自賠責保険料の徴収機能を除けば、クルマの消耗具合に応じて適正に点検整備されているかを国が確実にチェックすれば良いのだから、紙(点検記録簿や車検証)からリアルタイム電子情報に置き換えることも夢ではない。

本来なら、こうしたユーザーの実質負担や技術進歩を踏まえ、理想の車検像を議論するべきだった。それこそ、答申にある“自動車検査等の抜本的見直し”の名に値すると言えよう。残念ながら、05年3月の見直し論議は、引き続き「車検期間を1年延ばすかどうか」に終始する公算が高い……。

●その1:「初回6年、継続4年」…日経報道に業界が腰抜かす
●その2:03年は「データ収集」で手打ち。04年に対決が再燃!
●その3:推進会議側の主張…「国民負担の軽減」「クルマは壊れなくなった」
●その4:国交省の本音…「本当は延長したくない」
●その5:04年は“引き分け”、ファイナルマッチは05年3月!?
●その6:ニッポンは特殊? 世界の車検事情
●その7:長ければイイってもんじゃない
●その8:車検に寄生する各種制度…自賠責に税金
●その9:「車検に通ったから大丈夫」というユーザー意識
●その10:エレクトロニクス化にITの波…理想の車検像とは

《編集部》

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