警察署にクルマで突入した男に猶予判決

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自暴自棄になって山口県警・防府署の玄関にクルマで突入して建造物損壊などの罪に問われていた男に対する判決公判が17日、山口地裁で開かれた。裁判所は男に対し、執行猶予付きの有罪判決を命じている。

事件は今年9月25日に発生している。同日の午後11時20分ごろ、防府市駅南町付近にある同署の玄関付近に乗用車がゆっくりとした速度で突っ込み、正面玄関のガラス2枚を破り、さらには自動ドア1枚を強く押してずらす状態で停止した。

運転していた32歳の男は酒に酔った状態。ガラスの割れる音を聞いて駆けつけた署員に取り押さえられ、建造物損壊の現行犯で逮捕されたが、その後の数分間に渡って「逃げないから放せって言っているだろう」などと大声を上げながら暴れたという。

取り調べに対して男は「クルマで実家のある長崎県佐世保市内に向かっていたが、所持金が無くなった」と供述。さらには「悪いことをすれば警察が逮捕してくれると思って、どこでもいいからと警察署を探していた」などと話しているという。逮捕された当時の所持金はわずか数百円だった。

17日に行われた判決公判で、山口地裁の山本恵三裁判官は「被告は失職したことで将来を悲観し、自暴自棄になって犯行を犯した」と、動機を指摘した。

その上で「酒に酔った上での短絡的な犯行で、警察業務に対する妨害ともいえるが、今は事件を起こしたことを反省して更生の意欲も示している」として情状の酌量を認め、懲役1年2カ月(執行猶予3年)の有罪判決を命じた。

《石田真一》

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