「刑務所に入りたくて」…懲役7年の実刑判決

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刑務所に入ることを目的に、見ず知らずの女性を故意にクルマではねる事故を起こし、殺人未遂などの罪に問われた28際の男に対する判決公判が15日、岡山地裁で行われた。裁判所は被告に対し、懲役7年の実刑判決を言い渡している。

この事件は今年4月18日に発生している。同日の午前7時10分ごろ、岡山県岡山市奥市付近の市道で、ジョギングをしていた41歳の女性が後方から走ってきた軽自動車にはねられる事故が起きた。

女性は右足の骨を折る全治3カ月あまりの重傷を負ったが、クルマは逃走。警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始した。

事故から約1時間後、現場から約300m離れた市道でボーッとした様子で立っている27歳の男を同署員が発見。職務質問したところ、女性をクルマではねた容疑を認めたため、同署に任意同行を求めた。

警察で行われた取り調べで、男は「刑務所に入るため故意に事故を起こした。相手は誰でも良かったし、殺すつもりでやった」などと供述。

事故当時には約45km/hまで加速して衝突していたとこもわかり、警察では業務上過失傷害ではなく、殺人未遂容疑を適用して逮捕。検察も同罪で起訴していた。

弁護側はこれまでの公判で「刑務所に入りたいとは思っていたが、被告に殺意はなかった」と主張していたが、15日に行われた判決公判で、岡山地裁の榎本巧裁判長は「被告は刑務所に入ることを目的として非常に危険な無差別的な犯行に及んだ」と、事故を故意に起こしたことを指摘した。

その上で「被害者を放置して逃げるなど悪質極まりない」として、懲役8年の求刑に対し、懲役7年の実刑判決を言い渡した。

実刑判決が命じられたことによって男の願望が果たされた格好にもなったが、弁護側は控訴を検討しているとみられる。

《石田真一》

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