8日、大阪府大阪市西区内で、客を装ってタクシーに乗りこんだ男が運転手を襲撃。運転手を車外に突き落としてクルマを奪おうとする事件が起きた。
運転手が騒いだことで人が集まり、男はクルマ強奪を断念して徒歩で逃走したが、事件を目撃した高校生が携帯電話で警察に通報しながら自転車で追跡。男は駆けつけた警察官に強盗未遂容疑で逮捕されている。
大阪府警・西署によると、事件が起きたのは8日の午前2時55分ごろ。大阪市西区九条南2丁目付近の府道で、64歳の男性が運転するタクシーが信号待ちのために停車したところ、客として兵庫県尼崎市内から乗りこんだ男が後部座席から身を乗りだし、運転席のドアを開けて男性を車外に突き落とそうとした。
現場は交通量の多い道路で、当時は他のクルマも停車していたため、運転していた男性は自ら車外に出た上で「強盗だ、助けてくれ」などと大声で叫んだ。
異変を感じた人たちが集まってきたため、男はクルマを捨てて徒歩で逃走したが、この一部始終を近くのコンビニエンスストアに買い物に訪れていた男子高校生3人が目撃。1人は自転車に乗って逃走した男の後を追いかけるとともに、残った2人は携帯電話で警察に通報した。
自転車に乗った高校生は1kmほど犯人を追いかけ、多少の距離を取った上で男の様子から目を話すことなく、また目立ちにくい場所から警察に通報。男が潜伏した位置を連絡した。その後、男は通報によって駆けつけた警察官によって発見され、強盗未遂容疑で逮捕されている。
取り調べに対し、男は「カネが無いのでタクシーを奪おうと思った」などと供述。当初から現金強奪目当てだったことを大筋で認めているという。