行為が悪質、ひき逃げ犯を殺人未遂罪で追起訴

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福岡地検小倉支部は1日、今年7月に福岡県北九州市八幡西区内で重傷ひき逃げ事故を起こして逮捕・起訴されていた30歳の男を殺人未遂罪で同日までに追起訴したことを明らかにした。行為が悪質と判断されたためだという。

問題の事故は今年7月10日に発生している。同日の午前3時ごろ、北九州市八幡西区別所町付近の市道で、酒に酔って道路で寝ていた38歳の男性がクルマにはねられた。男性は約250m離れた場所まで引きずられ、左肩や頭などの骨を折る全治3カ月の重傷を負った。

男性をはねたクルマは現場から逃走していたが、事故から約1時間後に現場に戻り、検証作業を行っていた警察官に対して「自分がはねたかもしれない」と29歳(当時)の男が供述。クルマに痕跡が確認されたため、業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕していた。

男は取り調べに対して「免停になるのを恐れて逃げてしまった」と供述し、事故に関与したことを大筋で認めていた。

このため、警察では男を同容疑で書類送検し、検察もこれを受ける形で起訴していたが、後に新たな事実が判明した。

それは男が男性を引きずったまま逃走する際、男性が車体に引っかかっていることに気づきながら、これを振り落とすために40km/h程度の速度で蛇行運転を繰り返していたことがわかった。

この際、男は引きずっていた男性が「死ぬかもしれない」と思いながら、それでも蛇行を継続させていたということに着目。行為は非常に悪質で、未必の殺意が生じていると認定した。

このため、業務上過失ではなく、殺人未遂として扱うのが適当であると判断し、同罪での追起訴に踏み切った。

《石田真一》

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