温泉が大好きな車上荒らし犯

自動車 社会 社会

栃木県警は9月28日、温泉施設の脱衣所に侵入し、入浴に訪れた客の荷物から現金やクル
マのキーを盗み出し、車上荒らし犯行も重ねていた男を窃盗容疑で逮捕した。

男はこれまでに20件近い犯行を重ねてきたことを自供しており、警察ではさらなる余罪があるものとみて追及している。

栃木県警・黒羽署によると、窃盗容疑で逮捕されたのは46歳の男。直接の逮捕容疑となった事件は今年5月に発生している。

5月9日の午後、黒羽町堀之内付近にある町営の公共温泉施設で、温泉への入浴に訪れていた男性客が脱衣所に置いていた現金約2万円入りの財布が盗まれ、さらにはクルマの中に置いていたデジタルカメラ(時価3万円相当)が盗まれていることもわかった。

警察では何者かが脱衣所に客を装って侵入し、財布とクルマのキーを奪い、車上荒らしを行っていた可能性が高いと判断。調べを進めていたところ、今回逮捕された男の存在が浮上。任意での取り調べを続けていたところ、男が犯行を自供したため逮捕した。

男は客が脱衣所に財布やクルマのカギを置いたまま入浴することに着目。駐車場にクルマを止める段階から目を付け、運転者が入浴したところを見計らってキーを奪って開錠し、堂々とクルマの中を物色。そのキーを返すときに財布を抜き取って姿を消すなどしていた。

さらには「温泉での入浴は30-60分程度」と想定。同時間帯に入浴した複数のターゲットから盗みを行うこともあったとみられる。財布が無いことに気づくのは客が風呂から上がった後だが、その頃には男は現場から立ち去るなどしていたらしい。

これまでの調べで、男は今年3月から8月までの間、栃木県内の温泉地で20件近い犯行を行ったと供述しており、警察では他にも余罪があるものとみて、福島県などでも同様の事件が発生していないかどうかの照会を行っている。

ターゲットとなった温泉施設にはいくつかの共通点があり、それは「脱衣所にカギ付きロッカーがない」、「室内外への出入が比較的自由な施設」、「湯船が広めで、客が長湯する傾向にあるところ」だという。

警察では「貴重品はロッカーに入れるか、フロントで預かってもらうなどの対策を講じてほしい」と注意を呼びかけている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース