国土交通省は9月28日、北陸自動車道上り線・魚津インターチェンジ(IC)で、9月25日に本線を逆走するトラブルを起こした加越能鉄道バスに対し、道路運送法に基づく立ち入り監査を実施した。
国土交通省・北陸信越運輸局によると、問題のトラブルは9月25日に発生している。同日の午前8時30分ごろ、富山県砺波市から栃木県に向かっていた加越能鉄道バスの大型観光バス(乗員乗客29人)が、新たな乗客2人を乗せるために降りる予定だった魚津ICを通り過ぎてしまったことに44歳の運転手が気づいた。
運転手は出口から約20m離れた本線上に停止。その後はハザードランプを点灯させながらゆっくりと後退。出口車線に合流して魚津ICに向かった。
運転手から事態の連絡を受けた会社側は、管轄の富山運輸支局に対して9月26日にこれを報告。同局では逆走トラブルを起こした運転手が所属する高岡営業所に対し、道路運送法に基づく監査を9月28日午前から実施した。
監査では高岡営業所の運行管理者から事情を聞くとともに、運行管理の実態についても調べを進めており、不備が確認された場合には行政処分を実施する方針だ。
北陸信越運輸局の管内では、今年7月以降に長野県内のバス事業者3社で逆走トラブルが相次いで発覚している。
今年8月から9月には、同局の管轄する4県(新潟、長野、富山、石川)にあるバス事業者324社と、これらの会社に所属する5802人のバス運転手を対象に、逆走トラブルを起こしたことがあるかどうかを問うアンケート調査を実施。これによってさらに1件のトラブルが発覚したばかり。
同局では「各社に対して安全指導を徹底させたい」と話している。