京都府警は11日、今月1日に京都市伏見区内で発生した強盗放火事件の容疑者として、52歳の男を広島県内で逮捕した。
この男は今月2日に大阪府茨木市内で発生したタクシー運転手殺害事件にも関与しているものとみて、大阪府警と連携して捜査を進めていく方針だ。
京都府警・山科署によると、強盗殺人未遂と現住建造物等放火容疑で逮捕されたのは、元タクシー運転手で52歳の男。
この男は今月1日午後、京都市伏見区醍醐大高町付近の民家に警察の名を騙って侵入。56歳の女性を拘束した上で現金や預金通帳などを奪い、家に放火して逃走した疑いがもたれている。
女性は自力で2階の窓から飛び降りたが、この際に軽傷を負っている。家は全焼の被害を受けている。
この事件の捜査の際、現場付近で目撃された不審なクルマがあることがわかり、調べを進めたところ、このクルマはレンタカーで、今月2日に大阪府茨木市内で自殺を装って殺害された62歳のタクシー運転手名義で借りられていたことが判明した。
京都府警は大阪府警と連絡を取り、捜査を進めたところ、強盗放火事件の現場から採取された指紋が、運転手が殺害されたタクシーの車内から採取された指紋と一致。
さらにはこの指紋が殺害された運転手と同じタクシー会社に勤務し、8月末で退職していた52歳の男のものであることが判明した。
警察では両事件で男が関与していたことは間違いないと断定。その行方を追っていたが、広島県内にいることが判明し、広島県警に捜査協力を要請。
11日の午前1時ごろに広島東署員がJR広島駅近くの路上で男を発見し身柄を拘束。同日午後に京都府警が逮捕している。
男は強盗放火事件に関与したことを大筋で認めているが、取り調べに対しては「火を付けたのは死亡した男で、自分は命じられて手伝ったにすぎない」などと供述しているという。
警察では今後も慎重に捜査を続け、二つの事件の全容解明を急ぐとしている。