2日、大阪府茨木市内でタクシー運転手が自殺に偽装されるかたちで殺害され、売上金を奪われる事件が起きた。
タクシーの乗務記録には男2人を客として乗せたとの記述があり、警察では強盗殺人事件と断定し、同容疑でこの2人の行方を追っている。
大阪府警・茨木署によると、事件が起きたのは2日未明から早朝にかけての時間。同日の午前5時50分ごろ、茨木市桑原付近にある都市銀行が所有するグラウンドの入口で、男性が門扉に引っ掛けたネクタイで首を吊っているのを通行人が発見、警察に届け出た。
男性はすぐに近くの病院に収容されたが、死亡していることが確認された。
グラウンド入口近くにはドアが開け放たれたままのタクシーが料金支払い状態で放置されており、死亡していた男性はこのクルマに乗務していた62歳のタクシー運転手であることが判明した。
状況的には自殺を思わせたが、タクシーの車内から売上金約9万円が無くなっていることや、男性の顔面に殴打されたような痕跡が確認できたことから、警察では「自殺を偽装した他殺」と断定。強盗殺人事件として捜査を開始することになった。
運転手の乗務記録によると、最後に乗車したのは2人組の男で、午前4時30分ごろに現場から5kmほど離れた名神高速道路・茨木インターチェンジ付近から乗車していた。
この場所から現場には約2000円の運賃で到着することができるが、発見されたタクシーのメーターは3230円を表示。さらにはGPSによる位置通報装置は、タクシーが現場周辺を何度も動き回り、その度に料金支払いボタンが押されていることも判明した。
このため、警察では犯人が運転手を殺害する場所を探しながら目的地を指示していた可能性が高いと見て、走行記録をさらに精査する方針だ。