4人死傷のひき逃げ、検察が併合罪適用を主張

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今年4月、栃木県石橋町内で、女性4人が、飲酒運転のクルマにはねられて死傷したという事故で、業務上過失致死傷と道路交通法違反の罪に問われた20歳の女に対する論告求刑公判が26日、宇都宮地裁栃木支部で開かれた。

検察側は裁判所に対し、併合罪を適用した懲役7年6カ月の実刑を求めている。

問題の事故は今年4月30日の朝に起きている。同日の午前8時40分ごろ、石橋町下古山付近の県道で、歩道部分の植え込みに生えた雑草刈りを行っていた高齢者ボランティアの女性4人が歩道に向かって突進してきた乗用車に相次いではねられた。

この事故で75歳の女性が収容先の病院で死亡。66歳の女性が頭を強打して意識不明の重体。他の2人がいずれも軽傷を負った。

運転していた20歳の女からは酒気帯び相当量のアルコールを検出したため、業務上過失傷害と道交法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の容疑で緊急逮捕。

後の調べで、女は事故を起こす2時間前の午前6時ごろまで、シャンパンをグラスで約10杯、日本酒をコップで約3杯飲むなど、大量の飲酒を行い、同僚が家まで送ると進言したにもかかわらず、「朝だから捕まらない」と称して、自ら運転したことが明らかになっている。

26日に宇都宮地裁栃木支部で行われた論告求刑公判で、検察側は被告が酒気帯び状態が摘発対象であることを認識しながら、それでも運転を強行したことに触れ、未必の故意があったことを指摘。

その上で「本件は危険運転罪には該当しない交通事犯だが、危険かつ悪質な場合は、危険運転罪と同様に厳正な対処がなされるべきだ」として、業務上過失致死傷だけではなく、道交法との併合罪適用を主張。

同種の事件としては最も重い懲役7年6カ月を求刑した。

《石田真一》

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