もっと真剣に捜索を…愛知県警の失態を渇水が暴いた

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愛知県警は17日、今年1月下旬に警察へ対して家出人捜索願の出されていた55歳の男性が乗っていたとみられるクルマと、この男性と思われる遺体を今月3日に春日井市内の農業用水のため池から発見していたことを明らかにした。

捜索願の出される直前、現場となった池のフェンスが破壊され、クルマがため池に突入した可能性を指摘されながら、本格的な捜索を行ってこなかったという。

愛知県警・春日井署、同・監察官室によると、問題の事件は今年1月27日に発生している。春日井市大泉寺町付近にある農業用水のため池を覆うフェンスが長さ約10mに渡ってなぎ倒されているのを近隣の住民が発見。警察に届け出た。

フェンスは池の側に向かって倒れており、住民は「クルマが飛び込んだのではないか」と、駆けつけた警察官に指摘した。しかし、警官は「クルマの姿が見えず、油などの浮きも確認できない」として、短時間の捜索を行ったのみで引き上げた。

ところが今月3日、渇水となったため池の水面上にクルマの屋根部分が見えているのを別の住民が発見。警察に届け出た。

同署がクルマを引き上げて、車内を検分したところ、男性の遺体があるのを確認した。また、ナンバープレートの照会から、この男性が犬山市内に在住する55歳(失踪当時)の男性と判明した。

この男性については、「ため池にクルマが落ちたのではないか」という通報があった2日後の今年1月29日、愛知県警に対して家族から家出人捜索願が提出されていた。当時この男性は会社の資金繰りなどに悩んでおり、自殺の可能性が指摘されていたようだ。

春日井署では「1月下旬に通報があった段階で綿密な捜索を行って入れば、もっと早く男性を発見できたことは間違いない」として、男性の家族に謝罪を行うとともに、今回の不祥事について監察官室に報告を行った。

《石田真一》

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