揉めごとは避けたい…アルコール検知しなかった警官に処分

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滋賀県警は5日、大津署の地域課に勤務する58歳の警部補が、飲酒運転が原因で交通事故を起こしたと推定される容疑者に対してアルコール検知を実施しなかったとして、同日付で戒告の懲戒処分を実施した。

滋賀県警・監察官室によると、必要とされるアルコール検知を怠ったとして戒告処分となったのは、大津署の地域課に所属する58歳の男性警部補。

調べによると、この警部補は今年5月16日の午前1時40分ごろ、大津市内で発生したクルマ2台による衝突事故の現場に出動した際、事故の主原因となったと考えられるクルマの運転手からアルコール臭が漂っていたにも関わらず、これを無視してアルコール検知を行わなかった疑いが持たれている。

この際には一緒に現場に急行した巡査もアルコール臭に気づき、「酒臭いですね。(アルコール)検知したほうがよいのでは?」と進言したが、結局はアルコール検知を行わず、飲酒運転原因としての処理を見送った。

翌朝になり、もう一方の当事者から「一見して飲酒運転とわかる状態だったのに、警察官がアルコール量の検査をしなかった。納得できない」といった内容のクレームが県警本部に寄せられて事態が発覚。巡査も上司に対して同様の報告を行っていたこともわかった。

監察官室の取り調べに対し、警部補は「現場で揉めることは避けたかった」と供述し、飲酒運転の可能性には気づきながらも、これを看過したことを認めたため、今回の処分を実施したという。

県警では「職員に対する指導、監督を徹底して再発防止に努めたい」とのコメントを合わせて発表している。

《石田真一》

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