フォード・デザイン・ヨーロッパに、映画『サンダーバード』(7日公開)に登場する『FAB1』をデザインする話が持ち込まれたのは2003年1月だった。「カーデザイナーとしてこのような映画に参画できるのはとってもエキサイティングだよ」と、デザイン開発プロジェクトディレクターのクリス・スベンソン。
「とくに私の世代は子供の頃、TVシリーズを夢中でみていたからね。でも若いデザイナーにはそんな思い入れがないから、ビデオを見せて教育することから始めたんだ。そしたら、みんなやる気満々になって、アイデアがどんどん出てきた」
スベンソン以下、デザインチームの主要メンバーは、エクステリア担当チーフが、フォード『フォーカスCマックス』を担当したダニエル・ポーリン。インテリア担当チーフがランドローバーから出向のトニー・ハンター。ハンターは同じく映画の『トゥームレイダー』仕様の『ディフェンダー』をデザインし、『MINI』のインテリアにも参画した。ハンターもサンダーバードTV世代で、今度の話には飛びついた口だ。
「FAB1の最初のスケッチを見た時、映画の成功は間違いないと思った」と映画監督のジョナサン・フレイクス。「エクステリアのデザインだけでなく、インテリア・デザインの細部まですばらしかった。フォードによるデザインは、我々の期待を超えていた」