埼玉県警は21日、埼玉県日高市内にある自動車修理会社からアルミホイール付きのタイヤを盗み出していたとして、57歳の男と23歳の男を逮捕した。2人は親子で、それぞれの作業を分担しながら盗みを重ねていたとみて、警察では余罪を追及している。
埼玉県警・飯能署によると、事件が起きたのは16日未明。同日の午前2時45分ごろ、日高市田波目付近にある自動車修理会社の経営者から「工場内に侵入し、タイヤを盗もうとしていた男を確保した。飯能署に連れて行く」と警察に通報があった。
この会社では12日と15日にも同様の盗難被害に遭っており、このために経営者は深夜から未明の自主パトロールを強化していたという。
経営者が見回りを始めた際、終業時には工場内に収納していたはずのアルミホイール付きタイヤ6本(時価12万円相当)が表の駐車場付近に出されており、不審に思っていたところ、中から若い男が現れたという。
経営者は接遇した警察官に対して男を引き渡し、工場に戻ったが、約30分後に「男が持ち出したはずのタイヤが無くなっている」と再び通報してきた。
警察では建造物侵入と窃盗の容疑で取り調べを開始していた23歳の男を追及したところ、男が「親父と2人でやった。タイヤは最初から親父が持ち出す手筈になっていた」と自供。立ち寄り先としていくつかのパチンコ店の名前も挙げた。
警察ではこのすべてに捜査員を配置。張り込みを行っていたところ、同日の午後に日高市内のパチンコ店で57歳の男を発見。窃盗の容疑で任意同行を求め、署内で逮捕した。
調べに対し、57歳の男は「息子を経営者が連れて行った後、タイヤを奪って逃げた。警察に話しているのではないかと思ったが、こんなに早く発見されるとは…」と供述しているという。
盗んだタイヤは転売して遊興費に充てていたとしており、警察では転売ルートについて調べをすすめるとともに、余罪についても厳しく追及していく方針だ。