21日、京都府京都市内の府道で、路線バスの運転手がドアの開閉を誤り、降車中の74歳女性が足を滑らせて路面に転落した。運転手は女性の「大丈夫」という言葉を真に受け、女性をその場に放置したままバスの運行を続けた。
京都府警・下鴨署によると、事故が起きたのは21日の午前10時5分ごろ。岩倉実相院から四条河原町に向かっていた京都バスが運行する路線バスの37歳運転手が、京都市左京区岩倉中町付近にある岩倉駅前バス停を出発する際、ドア開閉レバーの操作を誤った。
74歳の女性が降車中だったにも関わらず、降車側のドアが閉まった。女性はドアのステップから足を滑らせ転落、路上に倒れこんだ。
運転手は「大丈夫ですか?」と声を掛けたが、女性が「大丈夫です、構わないでください」といった旨の返事をしたため、そのまま運転を続行。終点の四条河原町まで走らせた後、営業所に電話で連絡。事情を説明した。
営業所は「乗客がバスから降車する際に転落したらしいが、詳細は不明だ」と119番通報。救急車が到着したのは事故から約50分が経過してだった。
負傷した女性は身動きが出来ず、そのまま現場に取り残されていた。女性は近くの病院に搬送されたが、左足の大腿部を骨折しており、全治3カ月の重傷だという。
警察では業務上過失と道路交通法違反(救護義務違反)の疑いがあるとして、この運転手から事情を聞き、容疑が固まり次第で書類送検する方針だという。