少女をはね、自宅監禁した男に実刑判決

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拉致する目的で当時15歳の少女をクルマではねた上、自宅などで12日間に渡ってこの少女を監禁したとして、未成年者略取や逮捕監禁致傷などの罪に問われた27歳の男に対する判決公判が20日、新潟地裁で開かれた。

裁判所は被告の男に対し、懲役8年の実刑判決を命じている。

問題の事件は2003年9月2日に新潟県村上市内で発生している。被告の男は同日の夕方、下校途中だった15歳(当時)の少女を見つけて「連れ去って監禁しよう」と思い立ち、この少女の背後から故意にクルマをぶつけ、意識を失わせた上で車内に監禁した。

少女は同日夜に車内で意識を取り戻したが、被告の男はナイフを突きつけて「騒ぐと殺すぞ」と脅し、山形から宮城、福島などの各県内を連れ回した。3日夜には再び新潟県に戻り、少女をクルマのトランクに押し込めた上でフェリーに乗り、佐渡市内の自宅に連れて帰った後には、南京錠を取り付けた自室で監禁した。

少女が行方不明になったことは大きく報道されたが、ニュースを見た被告の父親が「息子が連れて帰った少女によく似ている」と通報。男は9月14日未明に未成年略取や逮捕監禁の容疑で逮捕された。

男は当時、警察の取り調べに対して「10代の少女と交際したかったが、方法が無いので連れ去った」などと供述。当初から少女を狙っていたことも認めていた。

20日に行われた判決公判で、新潟地裁の大谷吉史裁判長は、「犯行は身勝手極まりなく、自己中心的である」と厳しく指摘した。その上で「この種の模倣性が強く、一般予防の必要性も高い事件が社会に与えた影響は大きく、情状を酌量する余地はない」として、被告に対して懲役8年の実刑判決を言い渡した。

被告は判決前、裁判長から意見を求められると、被害者に対して謝罪する内容の言葉を述べたが、その一方で「今回の裁判は良くなかった。すべてを白紙に戻すという意味で控訴したい」などと主張するという異例の展開がみられた。弁護側は判決後に「被告本人が控訴の意思を示している以上、その手続きを取る」とコメントしている。

《石田真一》

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