岐阜県警は7日、自分の配下に置く暴走族グループに対して暴走の実施を指示していた24歳の暴力団員の男と、この男の指示に従う形で暴走を行っていた暴走族グループの8人を道路交通法違反(共同危険行為など)容疑で逮捕した。また、暴走に参加した少年少女5人も補導されている。
岐阜県警・交通指導課によると、今回逮捕されたのは岐阜市を拠点とする暴力団の組員で、暴走族グループの「面倒見」を務めていたとみられる24歳の男と、この男から暴走の指示を受けていた21歳の暴走族リーダーの男。そして暴走に参加したメンバーなど合わせて9人。また、関与は低いものの、暴走に参加した15-18歳の少年少女5人も補導されている。
調べによると、面倒見役の男は今年4月6日の深夜、岐南町内にあるゲームセンターに自分の配下に置く暴走族3グループのメンバーを集め、21歳のリーダーに対して「暴走をしてこい」と指示。グループはこれに従う形で岐南町から岐阜市内に向けてバイク8台に分乗して暴走し、途中で信号無視などを繰り返し、他車に通行の危険を生じさせた疑いがもたれている。
当日の暴走に参加したメンバーは道交法違反容疑で逮捕されたが、リーダーに対して余罪を追及していた際に「暴走は本意でなく、脅されてやっていた」との供述が得られた。これについてさらに追及したところ、面倒見役の男が具体的なコースを携帯電話で指示していたことがわかった。
このため、警察では「暴走の指示は暴力団関係者が行った」と断定し、指示したとされる組員の男を逮捕するとともに、暴力団が資金集めに暴走族グループを使っていた可能性も高いとして、今後は組事務所への捜索も視野に入れた捜査を行う方針だ。
組員の男は容疑を否認しているが、メンバーは男の関与を裏付ける供述を続けており、男が自分や、所属する組の存在を誇示するために暴走を行わせていたことは間違いないとみている。