【北京モーターショー04】値下げ競争続く、中国市場

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北京モーターショー(8−16日)の直後、上海大衆汽車(上海VW)は『サンタナ』『サンタナ2000』『サンタナ3000』『ポロ』『ジェッタ』『パサート』の値下げを実施した。同社が現地生産する全乗用車の値下げである。上海GMなども値下げを行うようだ。

中国で5月の自動車生産とシェンチェン(深「土川」)など一部地域での自動車輸入が伸び悩んだことはすでにお伝えしたが、ショー直後の値下げというタイミングから推測すると、5月実績には「値下げ待ち」による買い控えと言う意味もあるのではないかと推測できる。

中国がWTOに加盟した01年12月以降、現地での自動車価格は確実に値下がりしている。何といってもWTO加盟日は上海モーターショーの開催初日であり、会期中に値下げを発表したメーカーもある。その後、年末から02年の年明けにかけて、多くの車種が値下げされている。昨年も多くの車種で値下げが行われ、消費者の間には「まだまだ安くなる」との思いが根付いたようだ。

中国の工業製品生産が増えるに連れて、鉄などの原材料値上がりが世界各国の製造業に影響を与えている。最近の石油製品の値上がり傾向にも「中国での需要増がある」と言われているくらいだ。それでも中国製自動車は値下げ。現地の研究者は「80年代に参画した外資との合弁企業は儲けすぎていた」とするレポートを発表しているが、まさにそのとおりだったのだろう。

また「輸入車は高いが現地生産になると値下がりする」との言われている。これは中国政府が乗用車に関税を課しているためだ。WTO加盟で関税率の引き下げスケジュールも公表されている。

もっとも「品質の高い日欧米からの輸入車に比べ、中国現地生産車は品質が見劣りするのではないか」「国産化すれば中国の安い労働力を使えるはずだ」という論議もあり、クルマ好きの間では早くも「現地生産を立ち上げるBMWも値下げされる」とのウワサが広がっている。自動車産業の発展途上では、輸入車は高嶺の花。たしかに日本もそうだった。

ことしいっぱいで自動車の輸入許可制度が廃止され、関税率も06年時点では25%になる。それまでは国産車VS輸入車の値下げ競争が続くのだろう。

《牧野茂雄》

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