秋田中央交通は9日、バスの車体と車軸を接続する部分のボルトが破損し、車体が右に20cmほど傾くというトラブルが発生したことについて、メーカーの設計ミスや製造上の問題ではなく、あくまでも整備上の問題であったことを明らかにした。
秋田中央交通バスによると、問題のトラブルは5月20日に発生している。同日の午前8時10分ごろ、JR秋田駅前(秋田市中通2丁目付近)を出発しようとしていた秋田中央交通の路線バスが、発車直後に「ガチッ」という金属音とともに車体が右に20cmほど傾いた。
運転手は異常を察知し、ただちに運転を中止。バスを路肩に停止させた。乗客約30人にケガはなく、5分後に出発する後続のバスに全員が乗り換えている。
同社では「車体に重大なトラブルが発生した」と判断。東北運輸局秋田運輸支局に事態を報告するとともに、職員立会いの下で製造メーカーである日野自動車のサービス工場に搬入し、車両のチェックを行った。
その結果、車体と車軸のサスペンションを接続するU字型ボルトが破損しており、これが原因となって車体が傾いたことがわかった。
メーカーが破断した部品の分析を進めたたころ、部品自体に設計ミスや製造上の瑕疵はなく、劣化していることが整備の際に見落とされていた可能性が高くなった。
このため、同社では国土交通省・東北運輸局秋田運輸支局に対して調査報告書を提出するとともに、日常整備での点検箇所を増やしたり、これまで以上に整備を行うなどの改善案も示している。