石川県警は24日、チェーン・冬タイヤ規制の行われていた高速道路を夏タイヤで走行して物損事故を起こした運転者を道路交通法違反(運転者遵守事項違反)容疑で摘発し、反則金6000円を科していたことを明らかにした。
積雪した道路の危険性を熟知しているであろう、県内在住者だったために厳しく対処したという。
石川県警・交通捜査課、同・高速隊の調べによると、問題の事故は今月5日に美川町内の北陸自動車道上り線・美川インターチェンジ付近で発生している。30歳代の男が運転する乗用車が積雪によって凍結した路面でスリップし、路肩に設置されたガードレールに接触するという事故を起こした。
当時はチェーンや冬タイヤなどの滑り止め防止具の着用を義務付ける規制が行われていたが、男の運転する乗用車は駆動輪である前輪にはスタッドレスタイヤが装着されていたものの、後輪は夏タイヤのままだった。
事故は後輪がスリップしたことによって発生した可能性が高いことから、警察では「安全に対する配慮義務が欠けていた」と判断。積雪の無い地域からたまたま乗り入れた県外在住者ではなく、雪道の危険性も充分に熟知しているであろう県内在住者が起こした事故だったこともあり、厳しく対処した。
ここ数年は暖冬の影響もあり、石川県内の降雪回数も減る傾向にあるが、これに伴って冬季でも夏タイヤのまま走行を続けるドライバーが増え続けているという。このため、大雪が降った際にはスリップ事故が続出し、交通が混乱するなどのトラブルが多発するようになった。
警察では「夜間に路面が凍結することもあり、事故を未然に防ぐという意味でもスタッドレスタイヤの装着を推奨したい」としているが、「雪が少ないから…」と交換費用を惜しむドライバーが増えているようだ。