トラック課金システムがいまだにスタートできない理由

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ドイツ政府は、高速道路を通行するトラックに対して課金する制度を2003年1月にスタートし、同8月から本格的に稼働させる計画をたてていた。

しかし、それから5カ月、課金のためのシステムはいまだに稼働しておらず、ドイツ政府が集め損なった金額は65億ユーロ(8900億円)にも達している。

この課金システムの開発をドイツ政府から請け負ったのが、ダイムラー・クライスラーやドイツ・テレコムなどが設立したトール・コレクト(Toll Collect)という会社。同社は、GPSを利用して、トラックの流れだけでなく車種なども把握し、将来の交通管理システムの構築に役立てようという遠大な計画を立てていた。

しかし、いつまでたっても開発のめどが立たないために、ドイツ政府は先週トール・コレクトに対して、2カ月以内に代替案を出すようにとの最後通告を行った。それとともにスイスやオーストリアですでに実用化されているシステムに乗り換えることの検討も始めた。

トール・コレクトのシステムがGPSに加えて、赤外線通信、携帯電話通信、インターネットなどを複雑に組み合わせたものであるのに対して、スイスやオーストリアのシステムは短波による通信を利用した簡単なもので、導入も簡単だった。

トール・コレクトの失敗は、技術大国ドイツの過信がもたらした大風呂敷が原因と指摘されている。

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